財務分析(経営力分析)の結果、企業の現状と問題点を整理し、会社にとって最も重要な上記の点からまとめていく。

1.改善の基本方針の設定

①経営力の現状

現状では、経営力の点数及び実数値の推移から、 経営力の水準と変化の傾向について述べる また、5つの領域の指標を参照しながら、経営力点の上昇、下降の主な原因を簡潔にまとめる。

5つの領域の指標とは
・安全性(骨格) : 財務構造上の安全性と人的安全性
・収益性(筋肉) : 投下資本に対する収益性
・循環性(血液) : 資金循環の善し悪し
・成長性(活力) : 時系列的に見た企業の成長力
・創造性(頭脳) : 企業活力を生み出す組織の創造性

②経営改善の基本姿勢
経営力の現状から見て、どのような基本政策を取らなければならないか、例えば次の4点からまとめるとともに、対策について考える。

・抜本的な改善が必要
純資産の部がマイナスであることがわかった場合、債務超過の状態であり、思い切った規模の縮小等、緊急の対策が必要な状態といえる。資金繰りに行き詰まり、このままでは倒産する状態の企業といえ、緊急な対策、改善が必要とされる。

・収益性あるいは資本構造の計画的改善が必要
債務超過ではないが、赤字体質の場合、赤字解消のための計画的な対策が必要である。
収益性改善の方針としては、
★売上高拡大
★限界利益率改善
★固定費削減
など具体的な内容を立案する。

資本構造改善については、自己資本比率改善や流動比率改善のために、
★運転資本の収支改善
★投資に見合った資本の調達
★財務資本の預貸率の改善
など、資本の調達や運用について、改善方針を明らかにする。

・拡大路線からの脱皮が必要
拡大経営から成長企業へと展開していくための改善策を指摘する。

・現状維持及び一層の成長が期待される
現在の収益力の維持や向上のための施策を指摘することが必要。

2.改善のための重点課題

①領域に見る当社の問題点
財務分析(経営力分析)の結果から5つの領域の中で著しく低下した領域をあげて、その原因となっている項目を指摘する。

②改善課題
上記を改善するための障害点は何かを指摘する。場合によっては、経営者等からの聞き取りが必要になる。